① 農山漁村等地域の活性化のための融資を始めとする支援
(JAバンク大阪の農業メインバンク機能強化への取組み)
JAバンク大阪は、地域における農業者との結び付きを強化し、地域を活性化するため、次の取組みを行っています。
(1)農業融資商品の適切な提供・開発
JAバンク大阪は、各種プロパー農業資金を提供するとともに、農業近代化資金や日本政策金融公庫資金の取扱いを通じて、農業者の農業経営と生活をサポートしています。
2019年度は、JAバンク大阪として、平成30年台風第21号に係る被災農業者の早期の復旧支援のため、2018年度に引続き、適切な農業融資商品の提供を行いました。
2020年3月末時点のJAバンク大阪の農業関係資金残高(注1)は4,588百万円(うち農業経営向け貸付金3,976百万円)、日本政策金融公庫等の受託貸付金(注2)残高は673百万円を取扱っています。
- (注1)
- 農業関係資金とは、農業者および農業関連団体等に対する貸出金であり、農業生産・農業経営に必要な資金や、農産物の生産・加工・流通に関係する事業に必要な資金等が該当します。
- (注2)
- JAバンク大阪が農業者の窓口となり、日本政策金融公庫などの貸付金の受託取扱いを行っています。
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営農類型別農業資金残高(2020年3月末現在)
農業 3,976 穀作 429 野菜・園芸 1,331 果樹・樹園農業 179 工芸作物 0 養豚・肉牛・酪農 33 養鶏・鶏卵 9 養蚕 0 その他農業 1,993 農業関連団体等 611 合計 4,588 (単位:百万円)
(注)
- 1.
- 「その他農業」には、複合経営で業種が明確に位置づけられない者および農業サービス業が含まれています。
- 2.
- 「農業関連団体等」には、JAや全農(経済連)とその子会社等が含まれています。
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資金種類別農業資金残高(2020年3月末現在)
プロパー農業資金 4,534 農業制度資金 54 農業近代化資金 34 その他制度資金 19 合計 4,588 (単位:百万円)
(注)
- 1.
- 「プロパー農業資金」とは、JAバンク原資の資金を融資しているものをいいます。
- 2.
- 「農業制度資金」は、①地方公共団体もしくは日本政策金融公庫の資金をJAバンク大阪が転貸で融資するもの、②地方公共団体等が利子補給等を行うことでJAバンク大阪が低利で融資するものを対象としています。
- 3.
- 「その他制度資金」には、農業経営改善促進資金(スーパーS資金)や農業経営負担軽減支援資金などが該当します。
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農業資金の受託貸付金残高(2020年3月末現在)
日本政策金融公庫資金 673 その他 0 合計 673 (単位:百万円)
(注)
JAバンク大阪では、主にはJAを窓口として、日本政策金融公庫資金の受託貸付金を取扱っています。
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大阪府の農業近代化資金のシェア
(2)担い手のニーズに応えるための取組み
JAバンク大阪では、地域の農業者のニーズに応えるため、様々な取組みを行っています。
JAでは、本支店(所)の農業融資担当者が営農・経済部門等と連携しながら、農業融資に関する資金提案や経営相談対応等を実施しています。これを支える体制として、豊富な農業金融知識をもった農業融資の実務リーダーである「担い手金融リーダー」を、2019年度末時点で14JA・信連で31名配置しています。
また、JA系統独自の農業融資資格制度「JAバンク農業金融プランナー」を導入しており、有資格者は2019年度末時点で府内に339名となっています。この制度は、農業融資の実務に即した資格の取得を通じ、農業金融に関する知識・ノウハウの一層の充実を図り、多様化・専門化する農業者の金融ニーズに応えていくことを目的としています。
信連では、JAのサポート指導機能、農業法人等への融資相談機能を担う「県域農業金融センター機能」を構築しており、これらの機能の拡充、強化に努めています。農業金融分野での支援策としては、農業融資に係る大阪府農業信用基金協会保証料の全額助成を2019年度は138件総額14,440千円実施しました。また、JAに対して農業者等の支払う利息の一部を負担し農業者等の金利負担を軽減するため、「JAバンク大阪農業融資利子助成」を2019年度は57件2,638千円実施しました。
また、大阪府域では、信連・中央会・全農・共済連が一体となって「大阪農業振興サポートセンター」を構築しており、担い手に対し事業部門を横断した総合的なサポートに取り組んでいます。
(3)JA内事業間連携の強化
農業者の多様なニーズにJAをあげて応えていくため、営農・経済事業等との合同会議・研修会の開催や農業者への同行訪問等により、これまで以上に、JA内事業間連携を強化しています。
- 具体的取組事例
- JAいずみの、JA大阪南において、融資・営農両部門職員を対象に、農業融資に係る知識の習得・向上を目的とした研修会を開催。
(4)農業メインバンクCS調査の実施と結果の活用
JAバンクでは、JAの農業融資に対する率直なご意見・ご感想をお伺いすることを目的として、お客様満足度の計測(農業メインバンクCS調査)を行っています。
2019年度は、8~9月に実施したCS調査を踏まえ、訪問担当者の農業融資に関する知識の習得を目的とする研修会を実施するなど、農業者の満足度向上に向けた農業メインバンク機能の一層の強化に取り組んでいます。